2016年12月31日

2016年12月29-30日 新宮川水系和田川 大倉畑谷(南紀)

[参加者] 大西(L)、齋藤(記)
[天 候] 初日:晴れ 2日目:晴れ
[水 量] 少な目

大倉畑谷の名前を聞いたとき、まったくピンとこなかった。
記録を調べてみたが以前に樋上さんが遡行した際の記録や大西さんが二股を右に入った12m滝左岸を巻いて右岸尾根にそのまま巻きあがり左股を下降した記録のほか、1〜2の記録しか見当たらず
今回遡行予定ルート全容は判然としなかった。
地形図を見ても奥の二股を右に取ってから先はかなり慎重な登高を要することが想定されたが
果たしてその予測通り、私のレベルでは一筋縄ではいかぬ厳しい、しかし充実の遡行となった。
やっとのことで詰め上げた大倉畑山からは樹林の間に和田川流域の山々が望まれたが
1000mにも満たぬこの山々を深く穿って流れ進む流域の谷の厳しさを体感し
南紀の谷の遡行の妙味を思い知らされた山行となった。

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年末休みの始まった28日からエリアに移動し、移動日は観光などしながらゆっくり過ごして
29日〜30日でじっくり遡行しようという算段。


28日朝八時半に大西さんが車で齋藤宅まで来ていただきピックアップ。
国道169を一路南下。下桑原で県道229号に乗り換え上桑原で不動トンネルをくぐると道は再び七色で169号と合流する。大沼集落の手前で北山川を渡り尾川川沿いに少し村道を辿ると
果たして『ちゃや』はあった。12:20

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丁度昼食時。
昨年末に立ち寄れず、以来ずっと楽しみにしていたジビエカレーを食す。
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上品な味わいに野趣程よく香るカレーは期待通りのうまさ。
セットのサラダや前菜の野菜のうまさには感動ものだった。
羽津子さんに自家菜園を見せていただく。

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どの野菜も土の滋味をたっぷりと吸って、逞しくみずみずしい。


南紀に来たときは必ず立ち寄りたい。
是非とも妻を連れてきたいと思う。
http://genki3.net/?p=21205

食後のコーヒーをゆっくり楽しんだ後は熊野大社本宮へ。
2016年の御礼と2017年の会員の山行安全を祈念した。
前泊地へは早めについたが、暖かい車中で入山前祝を。
道中で買い込んだアテと酒、それにちゃやで分けていただいたおいしい漬物に酒が進み
気づくともう暗くなっていた。
引き続き酒で温めながら夕食の塩ちゃんこ鍋を作り腹がはちきれるくらい食うと
早くも眠気モード。
今夜はしっかり休んで翌日からの山行に備えることとする。
日中から引き続き快晴の空にはプラネタリウムのように満天の星が瞬く。
前日来の寒波も午後からは緩み風もない穏やかな夜、ぬくぬくと眠った。

・12月29日

朝食を摂り、8:00に前泊地出発。
小口から和田川沿いの県道229号線を西へ。
08:35 入渓地となる砂利置き場の駐車地着。
身支度を整え
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08:50入渓。
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大きく谷が褶曲したところに突出した半島のような台地から
南側の斜面を降りて和田川本流を流れ沿いに下降する。
水量は少ないが、白い玉砂利にエメラルドの清冽に澄んだ水。
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40分ほど下ると、ちょっとしたトロが出てきて、これを越えたところに右岸から大倉畑谷が顕著に出合う。
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09:40 大倉畑谷に入る。
程なく3mほどの釜のある滝が出迎え、アップ代わりに右岸に張り出すリッジを登る。
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少しの間小滝が出てくるが
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褶曲する谷の中でそれもやがて落ち着き、しばらくは穏やかな流れの中をゆったりとそぞろ歩く。
両岸には幕適地となりそうな場所がいくつも出てくる。

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10:15 Co245二股
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これを右に取るとすぐに眼前に20mの逆くの字が降りる。
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少し戻ってから右岸尾根に乗り、滝頭の少し上の高さでトラバースして落ち口へ
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ここから少しの間、渓は伏流となるが
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10:59 12m。
この上が短いがゴルジュ帯のようで3〜4つの釜を持った滝が連なるという。
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左岸を脆い壁のクライミング2ピッチでモンキークライムも交え巻く。
左岸尾根をトラバースしてゆくと眼下に滝上のゴルジュが望めるが
すぐに釜を持った5〜6mがあり泳ぎという選択肢が時期的に現実的でない以上このままトラバースして
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更に巻いてしまうことにした。左岸から入る涸谷を下ると
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ゴルジュ出口すぐ上に降り立つ。12:53
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小休止。時間的に昼食だが、今日はこのすぐ上の奥の二股までなので、食事はそちらで取ることに。
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再び落ち着きを取り戻した谷を行き
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13:40 Co360奥の二股に到着。
今宵はここを幕とする。
早い時間に到着したのでまったりと準備をするのだが、まぁなにはともあれ、その前に
プシュっと!!
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渓中のんびり〜
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マルシンハンバーグじゅうじゅう

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たっぷり薪を集めて(ただ、この渓、常に日陰で風もあまり抜けないので薪の大部分が湿っている)
食事の準備。飯盒で炊く飯は、ウマイ。
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以前三ッーで持参して山口さんにご評価いただいた自家製肉みそを今回も持参した。
ごはんがススム君
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更に齋藤自家製味噌に漬け込んだ豚肉とたっぷりの野菜で鍋にする。
焼酎、梅酒をお湯割りにして
焚火を眺めながら腹いっぱい飲む、食う。そして身体を芯から温める。
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今夜も風もなく穏やかな晴天の夜。
木々の間に星が瞬き、時折谷間に響く鹿鳴は冬枯れの哀歌のように胸に迫る。
19時頃に大西さんが就寝し、齋藤もしばらく焚火を眺めながら酒を嘗めていたが20時頃に
床に就く。


・12月30日
翌朝は04:30にすっきりと目が覚める。
暗い中大西さんが燠になった焚火をおこしなおし齋藤は食事を作り
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ゆっくりと朝の時間を楽しみつつ、撤収作業を進め身支度を整える。
陽が登ってみると、どうやら今日も快晴だ。
渓は風もない。
07:20 遡行再開。
この奥の二股を右に取る。谷は水量を落とし
苔むしたゴーロの間を縫って進む。
傾斜が急についてきて右に折れたその先に
07:34 20mはあろうか
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周囲は高いクラに囲まれていて唯一の登路となりそうなのは滝前左岸から降りる
ガレのまだ新しそうなルンゼだ。
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崩れやすいルンゼを先行の落石に注意しながら落ち口ほどの高さに登り、左手のクラの基部の斜面に乗り上げ
トラバースを図る。念のため2ピッチほどロープを出すが、20m滝を眼下に見る高さで
その奥に黒壁に簾をかけたような40mが見えた。
08:10
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両岸はここも高いーである。まともに小巻にはできず、一旦1ピッチ戻り
20mを巻き越えたときに上ったガレルンゼの左岸にある尾根から大巻き、というか
大倉畑山北西稜線のCo740を目指し直上することにした。
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この尾根もなかなかに曲者で急斜面、足元のもろさに加え時折ロープを出す必要のある
ピッチを数か所交えた登攀となる。
岩は脆い。落石は頻発する。ホールドとスタンスは信用できるものではなく
唯一支点に使えそうな木の根も冬枯れで水分の少ない影響か
妙に動くものが多い。神経を使う我慢の登り。
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12:05
ようやっと稜線に乗り上げる。
小休止のあと、目指す大倉畑山のピークへ稜線を東南東に辿るが、地形図では読めなかった
エラいナイフリッジが待ち受けていた(しかも御多分に漏れず脆い。またフェルトソールでは滑りやすくかなりビビった。泊装備の重荷だとバランスを崩せば奈落の底保証。)

ほとんど這う這うの体で
12:20
大倉畑山 P774.5
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食事をとって大休止。
大西さんも狙い通りピークを踏めて嬉しそうである。

12:40 下山を開始する。
北北東に伸びる吊尾根をP758に上り返す手前のコルで山道にはいることにする

12:59 Co650コル
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ここは北西に山道を辿るが、この山道はP740西方で大きく崩壊し通行できないので
P758西北西斜面を下る沢型に合わさったところで下降をして、そのまま谷下降、初日に右に入った
245二股に降り立つ。

13:09 下降開始ポイント
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ここから植林帯を選んで斜面を下るが、ここもヒドイガレで細かい落石をおこしながら少し強引に
下ることになる。相互にラインに注意しながら神経を使う下りをこなすとようやっと
360の二股。
右岸から合わさる大崩壊地
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少し下まで移動し、小休止ののち、再び下降開始すると間もなく2段50mはあろうかという
滝に阻まれた。
右岸の踏み跡のような薄いバンドを大西さんがリードでロープを出してトラバース
齋藤が続きそのままツルベでもう1ピッチトラバースを伸ばすと、果たして
小尾根を巻き越えた斜面はなんとかロープなしで沢床に下れそうだった。

15:18
左股大滝を巻き下り終え、沢に降りたところで大休止。
この先はすぐに245二股でもう危険地帯はない。
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暖かいカップラーメンとコーヒーで一息つく。

ゆっくりしてから再び下降。
15:54 245二股
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16:17 
和田川本流に降り立った。
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ここから再び少しだけ和田川本流を下り、左岸の植林斜面をトラバース気味に登ると
16:36
駐車地に乗り上げた。
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お疲れ様です!!
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2016年最後は充実の山行で締めることができた。
来年も引き続き研鑽していきたいと思います!!
posted by 飄逸沢遊会 at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | '16年 山行報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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