[参加者] TR田、IS田、S野、KW添、非会員1名、野村(L/記)
[行 程] 道の駅ほんぐう(前泊)
1日目: 八木尾谷入渓地へ(増水ひどく立間戸谷へ変更)
9:05 登山口駐車地 発 − 10:00 源助滝手前の広場 − 12:00 ケヤキ平 ◮
2日目: ◮ 7:30 発 − 8:00 屏風滝 − 8:20 牛鬼滝 − 11:00 植林小屋跡 −
12:00 ナメ終了点(遡行終了) − 16:20 登山口駐車地
[天 気] 晴れ
[その他] 増水により水量多し。ヒル見かけず。
前日40mm、前々日30mm、前週末には300mm超。前泊地でも未明ににわか雨が降る悪条件。
八木尾谷遡行を目指すも、入渓地で滔々と流れる水量を見てあきらめた。
増水していても行けそうな谷ということで、一応あらかじめ考えていた立間戸谷へ行先変更。
初日は、入渓地から2時間程度のところにあるケヤキ平を幕営地として、のんびり山歩き。天気は上々。
二日目は、大滝の連続、ナメの連続、ともに水量が多いこともあり迫力十分、快適な滝見・ナメ遊山となった。
ただ、登山道はわかりづらい箇所も多く、下山には苦労する。時間には十分なゆとりが必要です。
この花が咲く頃がちょうどマツタケの収穫時期らしい
7:00 道の駅を出発。八木尾谷のご機嫌伺いに。
伏流する水のない谷を... のはずが、道路終点では濁りこそ少ないものの広い幅で水が流れ下っている。
こんな水量を頭からかぶるなんてあり得ない、と遡行断念。
普段水量が少なく、かつ沢泊ができる沢ということで、立間戸谷に転進することに決定。168号を南下。
9:05 杉の倒木が折り重なる道を分け入る。
登山道の渡渉地点の飛び石が水没しているくらいの水量。
テープやローフ゜、階段状の置石などはあるが、道を辿るのはそれはそれでなかなか難しい。
10:00 源助滝下方の平地
なかなかのロケーション、いいキャンプサイトとなっている。
源助滝を目指すが、張り出した岩で行く手を阻まれ、滝を遠望する。
奥に、源助滝
テープとロープに導かれて右岸斜面沿いの道を進む。
支流を横切り、踏み跡を拾いつつ登っていくと、折り返すように岩壁に付けられた登山道となる。
折り返しを見逃し、支流を直進した者が1名。困ったものだ。
源助滝右岸のーを横断する登山道
ひたすら登山道を辿るのだが、つい沢登りに来たことを想い、グチってしまう。
沢沿いのスラブ壁に穿たれた足場をたどるのが面白い。
途中、休憩を挟みながらののんびり山行。
12:00 目的地のケヤキ平到着
昼寝、おしゃべり、青空の下でまどろむ。 N村は体調不良でダウン。風邪か昨夜の飲み疲れか...
ケヤキ平(幕営地) ケヤキの大木あり
持ち寄った食材で晩餐。頭上は天の川が横たえる満天の星。寒さは全くなく、快適な空間で床につく。
【2日目】
7:30 テン場を出発
2日目にしてようやく沢登りのスタート。
出発して10分で7m滝となって落ちる本流と屏風滝をもつ支流との二俣につく。
本流はこの7m滝で右に曲がっていく
空身で屏風滝を鑑賞に出かける。
屏風滝、水量豊かな秀麗さに魅かれる
二俣に戻る。
7m滝越しに牛鬼滝が覗いている。滝の右手には残置ロープがあり、これを伝う。
滝の落口からは、開けた空の下、ナメとゴーロのミックスゾーンの奥に優美な牛鬼滝が素晴らしい。
牛鬼滝
右手の林内を高巻き、木の根を足場に落口に降り立つ。
短いゴーロの先に水溜まり。プールとも中華鍋の淵とも。
その先は幅広のナメがうねり、20mスラブ滝へとつながっている。
ナメ床に続く20mスラブ滝
右手を木の根を踏みながら巻き上がる。
落口より上流に向かい、左に右にゆるくカーブする渓を辿ると30mとも50mともいわれる端正な滝が姿を現す。
端正な40m滝
巻きは左手のやせ尾根を登る。
しっかりした踏み跡を40mほども上がるとトラバース道となり、細い立ち木を頼りに落口に立つ。
トラバースは少し緊張する。落ちたら滝の下まで一気に落ちることになる。
落口からしばらくで、右岸のーとその足元から落ちるすだれ状滝が現れる。15mとも30mとも。
なかなかの雄大な景色、南紀らしいスケール感に感動する。
右岸のーと30m滝
右手から巻き始め、やせ尾根通しに落口へ。
目の前にはスラブを滑るナメ滝が。渓底から側壁はU字状をなし、氷食や雪食地形を彷彿とさせる。
20mナメ滝
再び右手から巻く。
渓床に降り立つと、ナメ滝から続くスラブがそのまま上流に続いており、さらに上流の滝まで誘う。高さは30mとも50mとも。
躍動する水滴
ナメの奥に40m滝
大滝に続く5m滝をまとめて左手から高巻く。
これで主だった滝は終わるが、短い区間にこれだけの大きな明るい滝が連続する渓は稀であろう。増水時の遡行にはうってつけ。
このあともしばらく快適なナメが続く。
大滝群の上流側にもワイドなナメは続く
11:00 植林小屋跡、二俣
二俣を右へ。
下山時はここまで戻ることを考え、空身で上流域にあるとされるロングナメを見に行く。
ゴーロが続くき、期待するナメはなかなか現れない。
ガレた枝沢を左に分けたころ、右手上方に陽に照らされたナメらしき岩肌が垣間見えた。
意外と高い位置に見える。
ゴーロが尽き、6mのナメ滝となる。勾配のあるこのナメ滝から長いナメロードが始まる。
けっこう勾配が急であり、手を使って登るほどではないが、下るには腰が引けてしまうほど。
増水のせいもあり、普段よりは水量が多いものと思われる。
水がサラサラと流れていてこそ ”ナメ” である。
喘ぐほどの勾配があるが、ついつい楽しく辿り上がってしまう、そんなナメ。
上流域のナメロードの始まり
幅は狭いがどこまでもナメが延びる
人影も彼方に...
12:00 ナメロードの終点(たぶん)
遡行を打ち切る。
12:20頃 渓に沿って右岸側にある登山道を植林小屋目指して下り始める。
テープが多かったり稀だったり迷いやすいが、基本的に渓の右岸側を下流へと辿り、ナメロード起点の下流側二俣に降り立つ。
小屋までは渓を下る。
13:05頃 植林小屋跡
左岸側に付けられた登山道を、テープやロープを頼りに下る。
テープが見つからない箇所もあり、踏み跡もわかりにくい箇所も多い。
ガスに巻かれたり、暗くなった場合、この登山道を辿ることはかなり難しいと思われる。時間にゆとりが欲しい所以である。
14:40 ケヤキ平 着
16:20 駐車地 着
泳いだり、滝を登ったりすることはなかったが、青空の下で、増水した時のこの渓の遡行はおすすめである。
です。
紀伊半島の絶滅危種で大変貴重なものらしい。
よく撮られましたね(^^)