2019年09月19日

2019年9月15-16日 境川 大畠谷(白山山系)

[遡行日] 令和元年 9月15〜16日
[参加者] KB浦、会員外1名、野村(L/記)
[行 程] 桂湖オートキャンプ場脇(前泊)
 【1日目】 6:40 駐車地 出 − 6:50 入渓 − 7:45 2段30m(〜9:30) − 10:50 大谷出合 − 11:35 3mCS+8mCS − 14:40 2段40m(〜15:30) − 16:10 二俣(◮泊)
 【2日目】 7:15 ◮ 出 − 7:45 スラブ(〜10:50) − 11:00 渓に下り立つ − 11:50 尾根上(乗越) − 13:15 二俣 − 14:35 魚留ノ滝 − 16:20 桂湖(遡行終了)− 16:50 駐車地(デポ地)
[水 量] 普通程度とみられる
[備 考] 
 開津谷を下降するなら、流域境界尾根の鞍部(EL1400m)でショートカットするのがベターだと思う。鞍部まで5分以下、藪漕ぎなし。
 これなら大笠山登山道経由でも開津谷経由でも時間的に大差ない。登山道なら夜道でも安全だろうけど。
 開津谷の堰堤工事用道路(跡)は全線草木蔓ぼうぼうで長距離藪漕ぎの苦労は必須のため、桂湖までの堰堤群は懸垂で通過するのがベスト。
 桂湖沿いの区間はぼうぼうながら踏み跡が拾えるので利用できる。というかそこしか道がない。道路(跡)まで這い上がる必要アリ。


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 充足感とともに壮大な空間に身を置く  至福のひととき
 取り巻く壁が下界との隔絶感を高めるようだ
 彩には欠けるがまさに別天地
 
※以下、記録として、写真やコースタイムを多めに入れたので長くなりました。ご勘弁を。 
 次回行かれる方、記録を見すぎると未知との遭遇の楽しみが減るので、そこそこに参考にしてください。


 前日、大阪組は17時半に出発、安曇野からは20時に出発した。
 途中で買い出しをしつつ、23時頃に前後してオートキャンプ場に到着。 近くの東屋が空いていた。
 連休中でもありオートキャンパー達がそこそこ集結していたが、東屋の場所が少し離れているせいか、近くに人はおらず、静かな夜を過ごすことができた。
 明日に備えて、控えめながらも宴の時間を欠かすことはできない。
 5時起床。まだ暗い。さほど寒さは感じられず、落ち着いた朝を迎える。


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 立派な東屋を独占(蚊は若干程度)


【1日目】(9月15日)

 下山は登山道を下るか開津谷を下るか、上がった時の時間次第なのでまだ決めかねていたが、とりあえず開津谷に面したスペースに1台デポしたのち、キャンプ場の駐車スペースに車を置いて出発。
 ただ、内心は何としても開津谷を下りたかった。

 キャンプ場の先には車侵入止めのフェンスが設けられており、少しの距離だが入渓地点までは歩いていく。
大畠谷に架かる立派な吊り橋の手前左から踏み跡をたどって出合へ下りる。


6:50 入渓
 川床はごろごろしているが、すでに側壁が立っている。 期待と緊張が交錯。
 しばらくは明るいゴーロの河原歩きであり、時折出てくるナメや淵を軽くへつり、景色を眺めながら気を張ることもなくウォーミングアップ。

7:40 3mナメ滝 (ゴルジュの入口)

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 いざ、行かん


7:45 2段30m滝
 予想以上の難物。
 事前に過去の記録を調べてルート取りをいくつか頭に描いてはいたものの、滝とこれを囲む岩壁の圧倒的な威圧感に押されてしまう(私だけだったろうけど)
 その上の15m滝もまとめて巻くこととし、右岸手前のリッジから高巻くことに。ルートは出たとこ勝負。


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 ルート取りを思索協議
 滝をくぐって右壁を攀じった猛者達もおられるようだが私には無理。

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 高巻きのスタート

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 灌木の混じるリッジを進む
 青い空のせいか先の不安感は沸いてこない


9:30 2段30m滝の高巻き終了 (所要時間 1時間半程度)
 無事、懸垂することなく下り立ったのは、15m滝頭から50mくらい先だった。
 15m滝の落ち口まで行ってみた。

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 15m滝頭から下を望む


 ここからしばらくはゴーロ主体の河原歩きとなる。途中、短いゴルジュやナメを楽しむ。
 岩魚の影が濃い。(らしいが、素人の私には見えない)

10:50 大谷出合

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 立った側壁の迫る行合を夜のエサを引っ下げて


11:05 3段15m滝 (次なるゴルジュ帯の入口)
 というより、2段5mと7mの連瀑。
 
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 しばらく河原歩きだったため、へつりが愉しい
 

 6m、2.5条3mCSほか、小滝やそれぞれの釜をへつり、トイ状のナメを過ぎていく。

11:35 3mCS滝+8mCS滝

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 定番通り、何も考えずに左岸巻きを選択

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 草付きのザラザラした斜面を斜上し、残置ハーケンを支点に斜め懸垂で渓床(滝頭)へ
 残置ハーケンの下方に残置ボルトあり
 待機中、ディセンダーを落として探すハプニング
 (保護色でなかなか見つからなかったが、あとで無事みつかる)

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 巻き終えて昼食タイム (巻きの所要時間 30分)
 斜め懸垂の斜めが結構半端ない 
 先に下りてハーケンでロープを固定してくれたおかげで振られることなく通過


 このあと、2条5m、5m、6m、釜4m斜、トイ状6m、ねじれ5m とそれぞれに個性的な滝が連続する。
 ひとつひとつが愉しく辿れる。

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 噴き出す5m滝の中段テラス、落ちる水をくぐって右岸へ

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 6m滝は右でも左でも可能だが、右手は湿って苔が多くやや滑りやすい 
 未熟な私には結構ムズイ箇所あり(荷物のせいだと言いたい)

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 6m滝の左手は、乾いているがホールド小さ目

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 4m斜滝の釜は左をへつる コーナーで腰まで浸かった


 ねじれ5m滝のあと、狭いトイ状のナメを過ぎると渓はやや開け、ゴーロ主体の渓相となる。
 7mCSを過ぎてしばらくは河原歩き。


14:40 2段40m滝
 1日目の最後の課題。
 過去の記録では、右岸、左岸いろいろで、なかなかここといった巻きのルートはないようである。
 左岸は大高巻きとなりそうだし、右岸には小さく巻けるルートもありそうとの記録もあり、右岸からの巻きを選択。
 少し下流のルンゼから入り、草付きの斜面に取り付く。
 上がりすぎかも、ということでスラブから懸垂で少し渓側に下りてみると、やや小さなテラスがあり、滝頭付近に導かれた。
 偶然の産物だろうが、それを予見(予感)したメンバーに感謝。

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 2段40m滝の下から様子を窺う

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 小さなテラスからすぐで滝頭へ


15:30 2段40m滝の高巻き終了 (高巻きの所要時間は約40分)

 2段40m滝を巻き終え、ゴルジュの中の小滝や奔流、ゴーロを越えていくことしばらくで、前方に左俣大滝が見えてくる。


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 V字に屹立するゴルジュ壁の奥に現れた左俣大滝


16:10 二俣 到着
 ついにここまで来たか... 感慨ひとしお。


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 取り巻く岩壁のなんと高いことか...


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 なんと大きいことか...


 でも壁面は比較的のっぺりしており、見るからに脆そう。
 焚火跡は見当たらず、昨晩ここで野営したチームはなかったようだが、薪は意外と少なかった。
 野営の準備をし、天然の食料を召しいただきながらの晩餐。

 暗くなるとともに雲は消えていき、ほぼ中秋の名月に照らされるとスラブはほの白く浮き上がってくる。
月が高くなると周囲がはっきりと見えるようになり、月明かりで影ができ、まさに異国にトリップしたようである。

 夜間の気温はさほど下がらず、気温からくる寒さは感じられなかったものの、一晩中緩やかながら吹き下りる風に、寝袋に入っていても肩口がうすら寒い。
 未明になって頭もすっぽり寝袋に潜り込む。


【2日目】(9月16日)

 5時起床のつもりが、寝坊。気づくと6時前。
 寝袋の暗闇の中でぬくぬくと爆睡してしまった。
 この日の長い行程を考えると6時半には出たかったのだが。
あとの2人は、粛々と準備を整えつつあり、半ば悠然としている。
 急いで食事と身支度を整えた。雲は多めだがほぼ晴天。ここは無風。

7:15 出発
 この先のルート取りは様々な記録がある。
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 ゴルジュの入口でこの先のルートを確認
 奥の小さな滝がショルダーポイント


7:40 10mチムニー状滝

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 左リッジを攀じる記録もあるが、ここからやや右手下流からスラブに取り付くことにする


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 スラブの取り付き
 最もオーソドックスなルート取りである(私の技量からは最善の選択) 

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 高度感があるようなないような...
 しかし下方の人影を見ると高さを感じる  下方の平坦地は昨夜の野営地

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 見てのとおり小石の浮石だらけで確実な支点がなかなか取れない
 登る間は小石を落とさないように神経を使う
 脆いながらもホールドは多く、傾斜が緩いのが救いである

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 スラブ上方の草付き(灌木帯)を目指してロープを伸ばす+
 見た目しっかりしているような岩だが、脆い


 草付きに届くあたりからその下側に沿ってトラバースする。
 灌木に支点がとりやすいので、比較的安心して進める。

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 ゴルジュに突き出るリッジを乗り越す
 足下はるかに野営地が一望できる

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 傾斜の緩い草付きの箇所でロープを回収し、本流の上流下方の小尾根の先端を目指す


11:20 巻き終了 (スラブ取り付きからの所要時間 3時間30分)
 私の不手際もあって少々時間を要した感があるが、無事終了。

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 小尾根の先端部なら懸垂なしで渓底に立てる


 あとは、明るいうちに下山できるかどうか...
 目指す稜線にはガスがかかっており、天気は下り坂。 まだ先は長い。
 とは思いつつ、スラブを穿つ右俣ゴルジュを覗きに行ってみた。

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 足下のヒョングリの滝が印象的


11:30 40mナメ滝

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 フェルト底にはさほどヌメリは感じないが...


11:45 EL.1390m地点
 まだ昼前だったので、登山道経由の下山ではなく開津谷の下降下山を選択。
 開津谷との境界尾根鞍部からのショートカットなら、かなり時間短縮も図れると判断。

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 鞍部の稜線まで比高10m程度 浅いルンぜ伝いでやぶ漕ぎなし


11:50 鞍部稜線を乗っ越す(展望はなし) 
 右手のややガレた小さな沢筋をずんずん下る。滝はない。
 途中から水が出てくるが、大畠谷の水よりもかなり冷たい。
周りの空気も全体にひんやりと感じられる。

12:30 開津谷左俣本流との出合
 開津谷下降の元々の予定ルートの小沢との出合に出る。
 ショートカットで約1.5時間と体力の節約が図れたように思う。

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 出合からもガレた状況が続く

13:15 二俣
 ここを野営地にする記録があるが、今回見た限りでは、あまりいいテン場は見当たらなかった。年によってかなり変わるのかもしれない。
 ここからしばらくで滝場の下りとなる。

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 連瀑帯の滝頭
 このあと右岸斜面を少しトラバースして樹林帯の中のルンゼを下ればロープ不要

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 ゴルジュの中の下降は気を使うがどんどん下る

14:00 5m滝
 長いテープシュリンゲの残置あり。岩間を懸垂下降。

14:35 15m滝(魚留ノ滝)
 残置ボルトを利用して懸垂下降。

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 魚留ノ滝の滝頭とその手前の5m滝をシャワークライムダウン


15:00 堰堤
 最初の堰堤は左岸を巻き下ったが、これ以降結構な数の堰堤を下ることになる。

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 途中、左岸の道路(跡)に出てみたが、草木の藪がひどく、すぐに河原通しで下ることに。
 数ある堰堤は満砂状態であり、いずれも水通し付近から懸垂で下りる。


16:20 桂湖バックウォーター(遡行終了)
 デポした車までは道がないため、右岸上方に見える堰堤工事用道路(跡)まで這い上がり、覆いかぶさる草木の藪中の踏み跡を拾いつつ駐車地を目指す。

16:50 駐車地(デポ車)
 先行する2人を追いかけ追いかけ、ようやく到着。 無事下山。
 何とか明るいうちに、余裕をもって下れた。

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 雨らしい雨に打たれることもなく、デポ車に到着


 1人のちょっと精神異常者と2人の一部身体障害者のチームであったが、天候にも恵まれ、素晴らしい、疲れた山行でした。感謝。



posted by 飄逸沢遊会 at 08:58| Comment(2) | '19年 山行報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
リーダー! 二日目 最後の最後に ずぶ濡れになった模様が記されてませんよ笑
Posted by 会員外 at 2019年10月12日 08:57
ちょっと行水して汗を流してみただけよ〜
Posted by 会員 at 2019年10月13日 16:57
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