2005年05月29日

播州 雪彦山塊 地蔵岳正面壁ルート

5月29日 天気 晴れ
梶谷

 待ちに待った地蔵岳の正面壁を登る日がやってきた。雨のために二度、東稜ルートに変更を余儀なくされての待ちに待った今日だった。昨年10月にアブミではあるが正面壁を経験している。正面壁のすごさがわかっている分、この四、五日はプレッシャーに悩まされ、不眠症になったほどだ。
 賀茂神社の手前から地蔵岳の正面壁が見え出す頃には、僕の気持ちもいやがおうにも緊張感が高まってきた。それは、今回はフリーで登ってやろうとする気持ちが半分と力不足で回りに迷惑をかけるんじゃないかと弱気の虫が半分という複雑な緊張感だ。賀茂神社を過ぎたところにある東屋に車をとめて待つこと 1時間。森中さんとR・Yさんが遅れてやってきた。奇しくも前回、正面壁を登った時と同じメンバーだ。
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 森中さんからの指示でヌンチャク5本・120センチシュリンゲ2本と60センチシュリンゲ3本・グリグリ・ATCを持って行く。東屋から歩くこと15分で正面壁の見える物見台に到着。ここで各自が準備をしてハイキング道を離れて正面壁に着く。

 遠くから見るとのっぺりして手の出しようもないように見える正面壁も下から見上げると結構ホールドが見える。プレッシャーもなくなり、この6ヶ月の成果をぶつけてやろうと僕の心は闘志満々だ。

 1ピッチ目。いつものように森中さんがリードで僕がビレイヤーで登りだす。森中さんの動きを観察していると壁の上部で苦戦している様子。R・Yさんが続き、しばらくたってから森中さんから「梶谷さんどうぞ」と声がかかる。初めは傾斜が緩く、いつものように登っていくが、上に行くほど壁が立ち、きつくなってくる。岩登りをまじめにやってきた成果なのか、壁が立っても体を壁から離して細かく足場を拾ってきわどく切り抜けてきたのだが、最後の最後で壁が立ちホールドのない壁。ここは、森中さんに「ロープ張っといてください!」と言ってから、上部の細かいホールドを掴んで強引に体を摺り上げる。リードでは到底出来ないクライミング。一か八かの登りも良いほうに転びビレイポイントに着く。予想外に腕が張っている。やっぱり今の僕のレベルじゃ正面壁は厳しいじゃないのか?と、先が思いやられる。

 2ピッチ目。出足からホールドや足場は細かいが、雰囲気に慣れてきた分、壁が立っていても自然と体が対応できるようになってきた。金毘羅山で鍛えた成果も出てきているようだ。上に登って行くほどムーブの厳しくさがなくなり、ここは、意外に楽だった。

 3ピッチ目。正面壁ルートの核心部にやってきた。ここで、下から「がんばりや〜!」と見物人〔展望台で休憩しとる登山者6名〕の声が飛ぶ。気持ちはありがたいけれど、なにか見世物になっているような気分になり、変なプレッシャーがかかる。上からは森中さんの「恥ずかしいクライミングを見せたらあかんで〜」と追い討ちをかける声が・・・R・Yさんと二人で「なんで大事な場面で、わしら見世物にならなきゃあかんのや〜?」と思わず苦笑してしまった。

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ここは、左にトラバースしてからクラックを登っていくのだが、あいかわらず壁が立っているので厳しい。足場がないとこ ろもあり、きわどい登りだ。ムーブを読み間違えたのか一箇所森中さんに「ロープを張っといてください!」とコールする厳しい登りもあった。クラックを切り抜けほっとする間もなく、今度は正面の壁が登れない。ここは外に張り出している岩壁に左からトラバースして登るが高度感がある分、緊張する。しかし、先ほどのクラックほど難しいムーブではない。ここも何とか切り抜けると、今度は岩壁を右にトラバースしてからの上部のクラックに両手をさし込んでレイバックで体を持ち上げてから、クラックの中を登っていくルート。 R・Yさんが登り終える間、待つ間、両足がミシンをたたいていたものの、ここは、予想外に手早く切り抜けられた。ここが核心部と言う人もいるが、僕は3ピッチ目の最初のクラックの登りの方がきつかった。

4ピッチ目。クラックから登っていくもののここは簡単。地蔵岳頂上手前で壁が立つが、体が無意識に反応して登っていくので、そんなに難しくなかった。

頂上には二人の登山者のお出迎え。天気もよく360度のパノラマ展望だった。森中さんから祝福の握手。僕自身、「よくぞ、頂上まで登れたもんやなぁ。人間やれば出来るもんやなぁ。」と言うのが率直な気持ち。でも課題は残った。立ちこんだ岩壁で対応できるよう、いろいろなムーブをもっと自分の体に覚えこませにゃあかんと言うこと。今の自分には策がなさすぎるというのが実感だった。帰りに雪彦温泉に立ち寄った際、森中さんが、「今日のルートの核心部は1ピッチ目の最後の立ちこんだ所だよ。」と教えてくれたことからも、今後、僕が取り組んでいかなきゃならない課題がはっきりした一日だった。

○コース・タイム 正面壁取り付き9:10〜地蔵岳11:20
posted by 飄逸沢遊会 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | '05年 山行報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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