2004年06月20日

丹波 地蔵杉898.3m 「洞谷川支流吉谷遡行」 梶谷幸生

 予定より2時間遅れで吉谷のある美山町豊郷に着く。洞谷林道は、入り口にチェーンがしてあり車で奥には入れない。しかたなく、地形図を見ながら林道を歩く。お目当ての「吉谷」は、すぐに見つかり、そのまま林道沿いの崖を30メートル下りて吉谷出会いに着く。
 入渓したと思ったら、いきなりゴルジュ。目の前に4b滝、そして、その上に二段20b滝が見える。岩場に足を置くとヨ〜すべる。今朝、二度寝したせいか体はまだ眠っていて動きが鈍いので、慎重に滝の左側をつたって4b滝を乗り越える。次の20b滝は手が出ないので左岸のルンゼから木の根や枝をつかんで子尾根に取り付いて、そこから滝手前のバンドをきわどくへつって落ち口に出る。
次の2b、3b滝は左側からへつるも、苔がはえていて、いやらしい。すぐに20bナメ滝だ。ここは、滝の右側から登り、その後の2本の2b滝は簡単にへつって乗っ越す。
 息つく間もなく15b滝が待ちかまえる。ここで一服。周囲は自然林で、時おり木漏れ日が当たり、素敵な雰囲気だ。しばし目の前の滝のことを忘れて、ぼおっとしていた。「沢登り始めまっか!」ここは、左岸のルンゼから取り付いて上部にかかる倒木を乗り越えてから子尾根に乗り滝の落ち口に出る。ルンゼは草付ぽく、足場はおぼつかないし、時おり浮石もあるので慎重に登った。ようやく最初のゴルジュから抜け出す。
次の3b滝は右岸から巻くうも、壁が立っていて沢中に下りれない。ここは懸垂下降をしたが、よく見るとクラックづたいに下りれるところがあった。「無駄な事しちょリまんな〜ワテの頭、まだまだボケちょりま〜す!」
 この先は、しばらく平凡な流れ。4b・3b滝が出てくるが、難しい登りではない。相変わらず沢中は自然林一色で歩いていても気持ちがいい。しかし、次第に流木が目立ち始め、少々しらけてしまう。ここ10年の間に、上流部で大規模な伐採があったのだろう。
 そして、二段30メートル滝が目の前にあらわれる。某沢登りの記録では30bと記載されているものの、どう見ても18b程度にしか見えない?下段の滝は右岸から巻いて、上段の滝は左岸から直登するつもりだったが、このまま行けそうなので右岸の岸壁を登る。途中からバンドをつたって滝の落ち口に出ようとしたものの、その上にある2b滝も登れそうにないので一緒に高巻く。
 左岸に枝谷をはさんでから、2つめのゴルジュに入る。ゴルジュ入り口の10b滝。この滝も、どう見ても7bしかない。ここは、右岸の岩尾根を登り途中からバンドをへつって滝の落ち口に立つ。
 そして、二段20b滝。この滝の下段5bの巻きがワテにとって今日一番の核心部だった。滝は登れそうにない。ここは少し戻って左岸の草付を登り、その上のバンドをへつって滝を越えて行くのだが、木の根は見当たらず、しかも、へつっていく途中に1本の小さなルンゼが入っているので、とても、いやらしい所だ。足場は草付特有の岩の上に泥がのっていたり、ザレ場もあり、非常にすべりやすい。ここは、草の根元を軽くつかんでホールドにする、かなり緊張したトラバースとなった。とにかく、一つ一つのムーブをこなしていく事だけを考えた。なんとか無事に下段の滝を巻いた瞬間、思わず「ほっ」とする。こんな高巻きは何度もするもんじゃない!けれども、奥美濃や越美国境の山々をめざしてるワテには、今後も草付は避けては通れない!いい勉強をさせてもらった。 
 すぐに二俣。進むべき左俣に30b滝が立ちはだかる。広い岩壁に水が一条の流れとなって落ちてくるが、いかんせん水量が少なすぎる。今ひとつ見栄えがしない。ここは、右岸の岩尾根から木の根や枝をホールドにして登っていく。上に登るほど壁が立ち、一段目のバンドに乗ったところで巻き道は、ふたつに分かれる。右手の巻き道は滝の端をトラバースしながら滝の落ち口に登るルートだ。落ちたら、ただではすまんと考え、左手の巻き道を登るも三段目のバンドで詰まってしまう。ここは、テープ・シュリンゲを上部の木の根に通しアブミにして突破するも、四段目のバンドで再び詰まる。岩壁に垂れ下がっている石楠花の木の枝に体を乗り上げてから、シュリンゲを取り出し、上部の木の根に通し、これをつかんで体をずり上げて滝を高巻いた。30b滝の高巻きが、「吉谷」のふたつ目の核心部だった。
 ここから先が「吉谷」の源流部になるが、流木が山のように重なって滝をせき止めている所が三箇所もあって、しらけてしまったが、それでも、時おり出会うナメ床や緑色の苔がはえた小滝には心が洗われるようなすがすがしさがある。相変わらず滝はすべりやすい。セミが鳴いている。季節は夏の訪れを告げている・・・
 遡行図とコンパスを見ながら地蔵杉に直接突き上げる枝沢を探す。6b滝を抜けると分岐。ここは左俣をとり歩いて行くと5b滝に出会うも簡単に越える。ここだと考えていたポイントに木の幹に赤テープが巻いてあった。後でわかった事だが、これは間違いで、ひとつ手前の枝沢を詰め上がるのが正解で、登っていても予想もしない分岐が出てきて、「おかしいな?」と考えつつ途中から子尾根に乗り稜線に出た。
 稜線に出たといっても、現在位置がわからない。休憩してから、10分ばかり周囲を歩き回って、ようやく現在位置がわかった。地蔵杉に着くまでに、いらん時間と労力を使ってしまった。遡行図に依存する沢登りは、いかがなものか?最後の詰めで、やはり頼りになるのは地形図やね。セミが鳴くブナやミズナラの緑の自然林の山頂で、しばし、何もかも忘れて山の素敵な雰囲気に浸っていた。
 下山にかかる。北にルートをとりCON.775鞍部から谷づたいに下ることにした。途中、P.820からの下りがややこしいが、地形図とコンパスで、しっかり現在位置を把握しているので抜かりはない。
 無事にCON鞍部に着く。谷には植林がしてあり、この谷を下りて行くとCON.570で洞谷林道に出るはずだ。何の迷いもなく谷を下って行く。最初は、はっきりとした杣道があったものの、やがて道は不明瞭になる。今日はザイルを持ってきているから、道がなかったら沢中を下ればいい。左岸の山の斜面をトラバースしながら下っていくと、尾根をはさんで自然林と植林がはっきりと区切れたポイントがあった。「ここで間違いないで!」と子尾根を下っていくと林道終点にどんぴしゃりと出た。そのまま林道を下って今日の山登りは無事終了。
 雨かと思いきや、台風の気まぐれで、沢登りができて、満足のいく、もうけもんの一日でした。

○コース・タイム 美山町豊郷8:30〜8:50・・・吉谷出合9:05・・・地蔵杉13:45〜14:05・・・CON.775鞍部14:20・・・洞谷林道終点14:50・・・
豊郷15:15

○地図 「島」「口坂本」



 
posted by 飄逸沢遊会 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | '04年 山行報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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